三友土質チャンネル

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地盤に関する豆知識

調査結果に「十分に転圧すればベタ基礎でOK」とあるが、「十分に」とはどの程度?

さて十分な転圧とはどのようなことを言うのでしょうか?要は将来沈下しないように、転圧することです。ところで転圧は砂質土では有効ですが、粘土質の土では転圧により逆に地盤を乱して弱めてしまう恐れがあります。さらに砂質土であっても水分量によっては転圧しても、さほど効果がないこともあります。(最適含水比で締固めする必要があるのです。)ですから住宅の基礎工事で転圧によって対応する場合は、しっかり土をみた上での施工管理が必要になります。 それでは管理はどうするかといえば、締固め試験を行い最大乾燥密度を求めて、最適含水比になるよう転圧施工します。効果確認は土の密度を測る方法が土木工事では一般的です。最近では手軽に現場で支持力を測定するキャスポルという方法もあります。将来大雨で浸水でもあれば、水浸沈下と言って大きな沈下も懸念されます。できれば最大乾燥密度の90%ぐらいの密度になるように転圧しておく必要があります。それはどの程度かといえば、一概には言えませんが、建物荷重に対してかなり余裕を持った支持力を確保すべきであることは言うまでもありません。 SWS試験で自沈が無ければベタ基礎でOKと判断する傾向もあるようですが、慎重によく考えた基礎検討が必要です。 従いまして「転圧してベタ基礎でOK」といっても、きちんとした基礎施工と管理を行う必要がありますし、そのような地盤ではあっさりと表層改良などを行うこともおすすめしております。  

液状化した家の多くはどうして鬼門の方角に傾くのか?

東日本大震災で液状化被害を調べてみますと傾いた方角は不思議と北東(鬼門)の方角が多いのに驚かされます。 これを解明してみますと次のようになります。   液状化が発生すると基本的には建物の重い方向に傾きます。 均等荷重であれば隣の家に近いところが傾きやすくなります。 これは地中に伝わる荷重が重なり影響を受けるためです。   二階が偏心する場合は日当たりなどを考慮して比較的北東方向になることが多いこと。 敷地内の建物配置は広さに余裕があれば庭や日当たりを考慮して敷地の北側に配置されることが多いことから、隣地の建物と北側で近くなりやすく、地中応力が干渉しやすくなります。 これらにより、液状化した場合は、北東に傾きやすくなるのであります。   昔から鬼門の方角に注意して建築することを戒められていましたが、まさに液状化についてもあてはまることに驚かされます。             千葉県での被害例 日本建築学会大会資料(2012.9)より

今さら聞けない岡山地盤の話②

岡山地盤の住宅地盤の特徴は、 ・平地では、地下水位が高い(地表面から1m以下が多い)。 → 沈下、液状化しやすい。 ・岡山市内で旭川より西では粘土質が多い。 → 沈下しやすい。揺れやすい。 ・旭川より東は砂質が多い。 → 液状化しやすい。 ・旧干拓地は都市部では日本一の軟弱地盤。 → 隣に家が建っても沈む。揺れやすい。 さらに干拓地の軟弱地盤では、造成盛土を行っただけでもよく沈下する。 (岡山平野には明治時代以降に作られた干拓地が多くあります。)       ・倉敷市内では高梁川より西は粘土質が多く、東では砂質土が多い。 ・川の流れで山影になるところへ軟弱地盤が存在する。(例えば、花尻や山崎、海吉など。) ・盛土造成が行われて杭基礎ですぐに建築したところでは抜け上がりが発生する。 (トラック団地では階段が増設されている)   これらのことから、岡山では沈下にかかわる建築紛争が昔から多く生じています。

今さら聞けない岡山地盤の話①

岡山平野は日本の住宅地盤でベスト3に入る軟弱地盤地域といえます。 トップは有明干拓地(佐賀県)、2位は諏訪盆地(長野県)、3位が岡山で、あとは、埼玉、高知などがあげられます。   岡山は中世まで児島半島は島でしたが、陸続きになってから、静かな児島湾(吉備の穴海)に旭川、高梁川や吉井川などが運搬する土砂が急激に堆積しました。 その後江戸時代からは干拓がすすめられ、若くて柔らかい土地が、広い範囲に作られたのであります。 有明や諏訪も軟弱地盤ですが、岡山ほど都市化されていませんから、軟弱地盤に住む人口では、トップクラスです。   東京都内でも東の方は軟弱地盤ですが、戦後の高度成長期に地下水のくみ上げで地盤沈下しました。 今は地下水位が回復したため、過圧密(注1)になり、沈下しにくい地盤になっています。   岡山は高度成長期に地下水位の低下での地盤沈下現象がなかったので、少しの荷重でもすぐに下がる厄介な地盤なのであります。   今は茨城から鹿児島まで営業エリアが広がっても、岡山地盤で苦労した経験を生かすことができます。 まさに苦労に耐えて努力すれば報われることもあるのであります。   注1) 過圧密とは 粘土地盤に荷重がかかったり地下水位が下がったりすると、水分が抜けて圧密沈下しますが、その荷重を除いたり地下水位が回復した場合、再度荷重がかかっても、今度は以前の荷重まではほとんど沈下しません。 しかし前受けた荷重以上になると沈下し始めます。 土があたかも以前に受けた荷重を覚えているかのような現象が生じます。

茨城営業所開設のお知らせと「いまさら聞けない茨城地盤の話」

茨城県で、軟弱地盤が深いところとしては、土浦、霞ヶ浦近辺です。 スウェーデン式のサンプリングでは含水比100%(注)を超えることもあり、不同沈下が発生することがあります。   (注)含水比とは、土の中の水の重さと土粒子の重さの比。 100%とは水の重さと土粒子の重さが同じであること。 一般に60%を超えると軟弱な粘土と言われます。       対策として支持地盤で支えるばかりでなく、弊社のラビングコラムで安価で安全に対応させていただきます。   筑波、守谷などの台地では、地盤が比較的良さそうですが、地表面の数メートルは試験をしてみますと弱いところが多くみられ、コラムなどの補強が実施されています。 またこのような地盤では、交通振動の揺れが気になるケースもあり、振動対策の相談を受けることがあります。   神栖、鹿島周辺は、昨年の地震で、液状化の被害が多く発生しました。 これは砂地盤のため住宅地盤としては良好と判断されていたため、ほとんどベタ基礎が実施されたためです。   今後被害があった地域では、調査時に液状化判定を行うことが重要です。 液状化対策としては、杭で支えるか、コラムを多く打つなどで対応可能です。 茨城県は関東営業所において以前から多くの実績がありますので、さらなるご愛顧をよろしくお願いします。      

スウェーデン式サウンディング試験で10mでやめてしまっても大丈夫!?

地盤調査を行う調査法はいくつかありますが、安価で早く調査できることから、スウェーデン式サウンディング試験(以下、SWS試験)がよく利用されています。   SWS試験では、調査深度は10mで終わっていることがほとんどです。(10mまでに支持層があるものは別です。)   これはSWS試験のJIS規格(JIS A 1221)の適用範囲に「深さ10m以内の軟弱層の静的貫入抵抗を測定するもの」とあるため、ほとんどの場合が、最大10mで終わっています。 SWS試験では、貫入深さが大きくなるにつれてロッド(棒部分)での摩擦の影響が大きくなってくるので、多少過大に出てしまうためです。   改良工事での検討上おおよその支持層の位置が必要なため、弊社では調査地点の中心(もしくはいずれかの1点)で支持層まで調査を行っています。  

地盤屋から見た良い宅地とは??

今ほど住宅の地盤が見直されていることはいまだかつてないと思います。 我々、地盤屋から見た良い宅地とは、概略次のようになります。   1.財産面・・・液状化や土砂災害、洪水、土壌汚染のないところが理想。 2.健康面・・・風通しや採光がよく交通振動のないところが良い。 3.安全面・・・土砂災害のないところ。   それでは地形的に言えばどうでしょう? ①平野部などの低地では、盛土などを行い周囲より小高いところが良いとされ、 沈下や液状化に対して地盤強化されたところ! ②丘陵地の傾斜地では、地震を考慮した地滑りの心配のないところ! ③小高い丘の上の地山がベスト! 以上は、地盤屋の独り言です。   これから土地を探す方の参考になれば幸いです。  

柱状改良は地震で大丈夫ですか!?

昨日、岡山市内のある住宅会社さんで1時間「地盤データの見方」についてのセミナーを行いました。 その時「柱状改良は地震で大丈夫ですか?」との質問がありました。   「地中で折れるのではないか!?」とのご心配があったようですが、日本建築センターから柱状改良の地震時の設計指針が出されており、確認申請で構造計算が必要な中規模以上の建物については、その指針で計算して確認を行っています。 また、今回の地震でもその計算方法で問題はないようです。   戸建住宅においては、地震時の計算は要求されていませんが、計算をしてみますと通常施工されている径や本数でも問題ありません。 ただし、通常より本数の少ない場合や径が500mm以下の場合では地震時には注意が必要になります。   揺れは地中よりも地表面が大きく、建物の荷重で水平力がかかる杭頭付近が最も揺れの影響があります。それについての確認をしていれば実際上も心配はありません。 今後も地震に関する豆知識を継続していきたいと思います。

宅地の液状化調査と対策

最近、関西~西日本においても宅地の液状化について相談が多くなってきました。宅地ではビルを建てる時のようなボーリングではなくスウェーデン式サウンディングと言って比較的簡易な調査を行っているため液状化の判定まではできませんでしたが、最近は深いところの土の採取器や地下水位の測定器が開発されて安価で簡易に判定できるようになりました。今は要望により任意で行っていますが、近いうちに義務化されるようになると思います。土の採取と地下水位の測定   液状化対策についても同様に問い合わせが増えております。最近の事例では、ビルなどと同じように液状化しない地盤で杭で支えるか、地盤改良で固める方法が採用されています。今日の山陽新聞に液状化対策工事(WIB工法)が掲載されています。弊社も協力して工事を行いました。    

宅地造成地の地盤を判断するには?

私たち地盤会社から見た造成地の判断は見た目がきれいなとかは関係ありません。盛土は造成されて期間が経過し雑草が生えているぐらいの方が安定なのであります。 まず新しい盛土の下に軟弱地盤があるとその地盤が盛土の重みで徐々に沈下します。軟弱地盤が厚いと沈下量も大きくなりますし、何か月あるいは何年も沈下が止まらないといったことが起こります。この様な沈下が止まらないうちに建築すると住宅が傾くといったことが起こるのです。 次に盛土が新しいと砂質の良い土であっても造成盛土自体が沈下することがあります。これは浸水沈下と言います。ある程度土を締固めしても起きる場合があるので厄介です。何回か雨が降れば沈下が停止するので、それ以降に建築すれば心配はありません。昔から盛土は一年寝かせると良い土地になると言われていますが、ある意味あたっています。 造成盛土は見た目ではなく雑草が生えているぐらい時間が経過したほうが沈下には安全になります。